リーダーのタイプ
昨日のエッセイ「90年代のITベンチャー」で御紹介させていただいた『ネット起業!あのバカにやらせてみよう』の中に、トップのタイプについての記述があります。
真田は後の不遇時代に『コンピュータ帝国の興亡』(ロバート・X・クリンジリー著、アスキー刊)という本に出会う。この本の中に、「企業の成長段階に応じてトップは三種類に分かれる」という分析があった。
第一段階は「コマンド―」である。コマンド―は落下傘で音もなく忍び寄って鋭利なナイフで敵の咽をかき切り進入路を切り拓く。第二段階は正規軍で、隊列を整え命令一下、圧倒的物量で敵を制圧してしまう。大きな斧で相手をなぎ倒してしまうのだ。こうした正規軍のトップは技術的知識を持った将軍でなければならない。第三段階として官僚がやってきて軍政を布く。そうなってくるとコマンド―は居場所がなくなるので、次の戦地を求めて放浪の旅に出るというのである。ごく稀に、企業の成長に合わせて コマンド― → 将軍 → 官僚 と変質していく優れた経営者がいる。(『ネット起業!あのバカにやらせてみよう』29頁)
実は、この手のリーダーのタイプ分析は、ほかにも多くの手法や分類方法があります。(例えば、ちきりんさんの分析(ちきりんの日記「変節点」)も面白いですし、シンプルに年商5億円の「壁」とおっしゃる方もいます。)
ただ、この「コマンド― → 将軍 → 官僚」という分類は、シンプルですので、理解しやすいように思います。
起業を志す方、経営者や事業部門のリーダーの方は、ご自身がどのようなタイプかを考えていただけると、良い経営チームの形成していく上で、参考になるのではないでしょうか。自らを企業の成長とともに、変えるということを目指すことも考えられますが、チームで、コマンド―タイプと将軍・官僚タイプを兼ね備えた人材が両輪でやっていくことで、上手く回るケースも少なくないように感じます(参考「営業出身の社長が陥りがちな罠」)。
私個人としても、多くの良い経営チームが、よいビジョン・志を持って、起業に取り組んで欲しいと願っております。