ベンチャー法務の部屋

うどんとそば

2010.10.22

今日は、ベンチャーとも、法務とも全く関係のない雑感を。

私が大阪に来て、もうすぐ10カ月が経とうとしています。

この10カ月で、「東京と違うことは何ですか?」という質問を受けることが割とありました。勿論、多くはビジネスの話です。

ただ、時折、食の話にもなります。大阪と東京では、食文化がいろいろと異なります。その1つが「うどんとそば」です。

落語でも上方落語は「時うどん」ですが、これが江戸落語になると「時そば」となる程、うどんとそばは、大阪と東京の食文化に深く根付いているものでしょう。

私のような大阪出身の人間には、東京は、”うどん不毛の地”でした。うどんで満足した記憶がほとんどない。時折、美味しいうどんを食べても、何か不満だったように思います。もちろん、真っ黒なお汁に違和感があるというのもありますが、それだけではありませんでした。それが何なのか、東京にいる間にはわかりませんでしたが、大阪に来てから思い当たることがあります。

それは、大阪で「きつねうどん」を食べているときのことでした。大阪では、美味しい「きつねうどん」がどこでも安く食べることができるのです。それがあまりに日常的なので、大阪の人は余り意識できませんが、東京では、あの甘辛く炊いた大きいジューシーな「お揚げさん」を目にすることさえ難しいのです。きつねうどんを頼んでも、甘くない薄揚げがのっているだけのことも珍しくありません。万が一、ジューシーな揚げに出会ったとしても、高いお店だったりします。お洒落な感じで「きつねうどん」を食べたいわけじゃないんだけどな・・・という妙な違和感が残ることになるのです。

ただ、関東や東北の方から、「美味しいうどん屋さんを教えてほしい」というリクエストを受けて、返答に窮したことのある大阪人は、多いのではないかというのが私の推測です(私が知識不足で困っているだけかもしれませんが)。

わざわざ大阪まで来ていただいているのに、500円くらいのうどんをわざわざ行かなくても・・・と思わないわけでもない上に、「はて、オススメするとなれば、どこがええかいな?」となってしまうのです。とはいえ、「どこでもええから適当に入って、きつねうどん頼んでみはったら?」と言うわけにもいかず・・・といったところです。

先程の違和感や、上の質問に回答が詰まることを考えあわせると、大阪のうどん文化の基本は、500円前後(場所によっては2~300円)で、美味しい「きつねうどん」が食べられるというところにあるのではないかというのが私の仮説です。


ちなみに、小林カツ代さんの「おいしい大阪」 (文春文庫) という本の中には、「きざみときつね」というタイトルで、大阪のきつねうどんがこのように風に紹介されています。

関西と関東の違いといえば、よく引き合いに出されるのがうどん。(中略)大阪のうどんといえば、一番にあげられるのが、たぶんきつねうどんではないでしょうか。

きつねのお揚げさんを上手に炊くんは、なかなかむずかしいことです。お揚げさんは油抜きをしっかりせんと味がなじみません。うどん屋さんですと、長いことゆでて油を抜き、それからだし、しょうゆ、砂糖とみりんでゆっくりと味をふくませていきます。きつねうどんを日本ではじめてつくって出したという「松葉家」では、三回も四回も炊いてはさましを繰り返し、味をじっくりふくませています。それくらい手間がかかってるんですよ。せやからおいしいし、油っぽくないんですね。

とにもかくにも大阪のうどんはだしが決め手。どこの店でも昆布と削り節をたっぷり使って作ります。最後の一滴まで飲み干すのが、大阪のうどんつゆです。色は淡いがだしは濃く、つゆの味は「だし命」と言っていいほど、どんなうどん屋さんでも気をつかっています。(引用終わり)


そういえば、うどんの紹介先にこの本に出てきた「松葉家」さんを紹介先候補にすればよいのですね。でも、私は残念ながらまだ行ったことがなく、それ故お薦めすることができませんでした。近いうちに行ってみることにします。


一方、蕎麦については、(個人的な感想であることをお断りさせていただきますが)質と店舗数において、圧倒的に東京の方が良いのではないでしょうか。勿論、大阪にも美味しいお蕎麦屋さんはあります。ただ、東京では、やはり文化として、蕎麦が根付いているように思います。

東京に住んでいた期間にそれほど多くの蕎麦屋さんに行ったわけではないですが、それでもそれなりに行ったと思います。その中で、特に私のお気に入りは、「蕎麦小路さわらび」です。私の前の職場に近く、本当によくいっていました。近くには、最高裁判所や国会があるため、裁判所の職員や国会議員の方もお見かけしました。他の有名店より、私は好きでした。他の地域から出張で東京に行かれる方にもお薦めです。

執筆者
S&W国際法律事務所

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