河野雄介弁護士が、ひょうご・神戸国際ビジネススクエア主催の、「ASEANにおける現地法人の外国公務員贈賄、不正調査などの実例と防止策」をテーマとするセミナーに登壇しました。
2018年11月20日に、神戸市で開催された、上記のセミナーに登壇しました。
このセミナーは、三部構成となっており、第一部では、私が、「海外子会社コンプライアンス、海外贈賄防止に関する規律と実例」をテーマに講演しました。具体的には、海外事業コンプライアンスの重要性、人権デューディリジェンス、サプライヤー契約におけるCSR条項及び海外贈賄防止(外国公務員贈賄罪)について解説させていただきました。特に、海外贈賄防止のテーマについては、日本の不正競争防止法違反が問われた判例の分析、ファシリテーション・ペイメント(通常の行政サービスを円滑に受けるための少額の支払い)の贈賄該当性、ASEAN諸国における不当な金銭要求の傾向とその対策、贈賄に該当するか否かのグレーゾーン事例の分析などを行いました。
第二部では、シンガポールに駐在し、ASEAN諸国における不正調査やPMI(Post Merger Integration)の実務経験が豊富な会計士の熊谷信吾先生が、「 ASEANでの不正事例とその確認/防止のポイント」につき、講演されました。ASEAN諸国での実務経験に基づいた、不正事例の見抜き方や、不正事例への対応方法などにつき、具体例を交えながら解説されたので非常に興味深かったです。
第三部では、アクシス国際法律事務所と業務提携を行っている、ケルビンチアパートナーシップのシンガポールオフィスからMarlon Wui弁護士に、バンコクオフィスからはLeopoldo Moselina Jr.弁護士にお越しいただき、ASEAN子会社の労務コンプライアンスの実務について講演をいただきました。ASEAN諸国における労働法コンプライアンスの重要性(従業員の士気や生産性への影響、企業の人材獲得力への影響、企業の収益への影響、企業のレピュテーションへの影響)についてご説明いただいた後、タイ、フィリピン及びインドネシアにおける労働法コンプライアンスについて、具体的に主要な労働法や最近の労働法の改正、従業員の解雇の実務をご紹介いただきました。Marlon弁護士とLeopoldo弁護士には英語で講演していただき、私が日本語に通訳するという構成をとりました。第一部でもスピーカーで話をさせていただいた後に通訳も行いましたので、少し疲れましたが、充実したセミナーとなったと思います。
なお、同様のテーマで、平成31年2月1日に、大阪商工会議所の主催で、ASEANにおけるコンプライアンスセミナーを行う予定です。神戸市でのセミナーにご参加いただけなかった方は、こちらのセミナーにご参加いただけますと幸いです。
【セミナー概要】
開催日時
2019年2月1日(金)
開催時間
14:00~16:30
場所
大阪商工会議所 401会議室
大阪府大阪市中央区本町橋2-8
主催
大阪商工会議所
共催
JETRO大阪本部(予定)
協力
アクシス国際法律事務所
esnetworks Asia Global(エスネットワークスグループ)
参加費
無 料 (定員になり次第締め切ります。事前のお申込みが必要です。)
プログラム(予定)
第一部 14:00~14:20(20分)
「コンプライアンスとは?今、企業に求められているもの」
アクシス国際法律事務所 弁護士 三村 雅一
第二部 14:20~15:20(60分)
「海外取引におけるコンプライアンス、海外贈賄防止に関する規律と実例」
アクシス国際法律事務所 弁護士 河野 雄介
海外子会社コンプライアンス、人権デューディリジェンス、海外贈賄防止、サプライチェーンにおけるフェアトレードなどについて、法律やガイドラインなどにつき実例を踏まえて解説するとともに、コンプライアンス違反をしてしまったときの対応策やンプライアンス違反とならないための対応策をご紹介します。
<休憩>(10分)
第三部 15:30~16:20 (50分)
「ASEANでの不正およびコンプライアンス事例とその防止ポイント」
es Networks Asia Global (Singapore) Director 公認会計士 熊谷 伸吾 氏
ASEAN諸国におけるPMI(Post Merger Integration)や不正調査の実務経験が豊富な会計士が、海外子会社や進出時に陥りがちな論点について、管理部門視点から傾向と対策例を解説します。
質疑応答 16:20~16:30(10分)
お申込み方法
下記サイトよりご確認ください
http://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/201812/D11190201016.html
文責 河野雄介